欝になりやすいと言われる職業には様々なものがありますが、代表的なものとしては介護・福祉関係の職場が挙げられます。その理由としては、仕事の内容自体の大変さ、そして苦労に見合わない社会的地位、簿給といったものが考えられます。また、食事や入浴、体の清掃など高齢者の日常生活全般をサポートする多忙な内容でありながら、なかなか感謝の気持ちを伝えられることが少ないというのもやりがいを感じにくい要因でしょう。休みの時間を使ってストレス発散することやセルフチェックを定期的に行う必要がある職場と言えます。同様の理由でケアマネージャーや保育士も欝になりやすい職業として認識されています。
外食産業の職場もストレス発散が難しい、欝になりやすい職場として知られています。飲食店はほとんどの場合、休む暇なく客が訪れるため、休める時間がほとんどありません。また、長時間の拘束も当たり前の業界ですから肉体的にも精神的にも参ってしまいます。そうした特徴もあり、飲食関係では「ブラック企業」と呼ばれる企業も多く存在しています。客からのクレームや店内での人間関係に関するトラブルなどへの対応も必要となりますから、精神的にもなかなか休まる時間がありません。
ソーシャルワーカーとして働いている人もセルフチェックが必要と言われています。ソーシャルワーカーは社会に適合できない、また疎外されてしまっているような人たちを助ける仕事ですから、どのような相手にも真摯に向き合っていく必要があります。それだけでも大変なプレッシャーですが、その仕事柄、突然の事件に巻き込まれることも少なくありません。常に気を抜けない仕事と言えます。それに加えて役所の事務的な仕事もこなさなければなりませんから精神的な負担は相当なものとなります。そのようなソーシャルワーカーの仕事は責任感が強い人でなければ勤まりませんが、その責任感のために自分を犠牲にして働きすぎてしまう人も多いのです。
病院をはじめとする医療施設を職場にして働く人たちもまたストレスが溜まりやすい傾向にあります。それは業務の大変さといったものももちろんありますが、人の命を左右するという責任感の大きさによるところが大きいでしょう。患者のケースによっては担当する医療従事者がどれだけ頑張っても救えない場合が当然あります。そのような環境での仕事となりますから、他の仕事とは比べ物にならないレベルのストレス、プレッシャーが常にのしかかります。そのため、精神的に強く上手く自分の感情をコントロールできる人でなければ勤まりません。
芸術家、作家、芸能関係の仕事も欝になりやすいと言われています。この原因としては収入の不安定さ、不規則な生活リズムといったことがあります。特に、創造性が要求される仕事に就いている男性は非常に欝になりやすい傾向にあります。しかし、そのことに自覚なく、セルフチェックや治療も行わずに過ごしている人も少なくありません。
