ストレスチェック義務化法案によって、労働者には様々な好影響が与えられると期待されています。例えば、定期的にストレスチェックを受けることによって冷静に自分のストレスについて知ることができます。ストレス発散が上手くできず、ストレスを溜め込んでしまっている人ほど、日々の忙しさに感覚が麻痺し、自分の状態を冷静に分析できないものです。実際、知らないうちに疲れが溜まっていたという経験がある人は非常に多いです。そのような人も、定期的に実施されるストレスチェックを受けることによって、ストレスによる心や体の病気を未然に防げる可能性が高くなります。気付いていなかったストレスを知ることで、それを改善するための過ごし方をしようという意識も生まれるでしょう。
ストレスチェック義務化法案におけるメリットとしては、労働者のプライバシーが保護されるという点も挙げられます。事業者や労働者への人事権を持つ人間は検査の実施やそれに伴う事務も行うことができないことになっています。もちろん、その後の検査の結果も労働者の許可なく事業者に通知されてしまうことはありません。これは、ストレスチェックを受ける労働者にとって大きな安心に繋がるでしょう。また、そのために個人情報が保護されたまま、労働環境が整備されていくことが期待できます。ですので、職場に対してストレスを感じている点があるけれど、それを中々口に出すことができない立場の労働者にとって心強い味方となってくれるのです。
ただし、事業者が行う労働環境の整備については努力義務に留まっている部分もあるので、どのくらい現状の問題点が改善されていくかはその事業者によるところとなります。
ストレスチェック義務化法案が労働者のストレス発散やストレスの発見に役立つものであるのは、医師の面接を受けられるということが大きいでしょう。現状では、仕事量を少なくしてほしいけれど言い出せない、休みたいけれど休めないといった人は少なくありません。そして、こうした人ほど高ストレス状態に陥りやすい傾向にあります。そうした人たちも医師の面接によって好影響を受けることが期待できます。医師との面接によって、就業上で必要とされる措置が検討されるからです。医師の面接結果次第では働く上で大きな不満となっていたことが改善に向かうことも大いに期待できます。
